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けずる ~9月4日の中也論~

こんにちは

田中圭介と申します。
今回、趣向に「演出補佐」というポジションで関わってます。
まぁ主宰のオノマリコさんのお喋り相手みたいなものです。

稽古のはじめに、テキストの変更とカットがリコさんから伝えられました。
一応、第3稿をもって完成ということになってはいるのですが、そのまま普通にやると最低でも2時間15分はかかるということで、お客さんのお尻をおもんぱかって(?)戯曲のシェイプアップ。

百花さんは「好きな台詞が削られてるー」ってことで、なんとかこっそりその台詞を忍び込ませようと企んでいるようです。…いや、こっそりは無理だろうと。

翔子さんは削られた台詞によってバックボーン化した設定の確認をしてました。趣向ではこのように、稽古はしたけれど最終的には削られて、舞台上では語られる事の無い膨大な台詞があります。それがきっと登場人物にある種の厚みを持たせているのですね。
そういえば小説の神様と云われた志賀直哉や、映画監督の成瀬巳喜男も最終的に出すものは半分くらいに削る人だったそうです。

削ると云えば、「詩」ほどそれが現れているものもないでしょう。中原中也なんぞは詩情が溢れまくっていた人でしょうから、それをバッサリと削って詩の形にしたときの凝縮されたエネルギーたるや…。

宿酔

朝、鈍い日が照つてて
  風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。

私は目をつむる、
  かなしい酔ひだ。
もう不用になつたストーヴが
  白つぽく銹びてゐる。

朝、鈍い日が照つてて
  風がある。
千の天使が
  バスケットボールする。

どうでしょう?削ることによって、ちょっと分からないくらいのこの感じ。それが想像に必要な余白となり、表現に幅を持たせているのではないでしょうか。また「…バスケットボールする」助詞である「を」を抜くあたり、秀逸ですね。リズミカルです。それにしても二日酔の頭がガンガンする感じを、よくもまぁこんな風に例えたもんです(って、自分は解釈してますが、みなさまご自由に)。そしてこの「千の天使がバスケットボールする」って大きく書かれたTシャツをブルーハーツの真島昌利が着てて、かっこいいなーと思ったのが中学生の頃。今思えばそれが、中也との最初の出会いかもしれません。


さて、稽古写真を何枚か。


写真 12-09-04 23 43 16


今日、遅れてきた芝さんの代役として、それっぽく演じる翔子さん。
こんなイメージらしいですよ、芝さん。



写真 12-09-04 23 42 21

みんな台詞覚えたて…プロンプする演助のこずえちゃん。



写真 12-09-04 23 44 08

芝さん登場。変わった台詞を確認しつつ…お、百花さんは既に台本離してる!さすが。



写真 12-09-04 23 45 19

リコさんの演出姿を隠し撮りしようとしたら、気づかれてちょっとカメラ目線。
後ろは和服の似合う小栗さん。



写真 12-09-04 23 47 38

注)戸谷ちゃんはこれが稽古着です。決して衣装などではありません。
あ、本当に本チャンの衣装はまた別です。



稽古後は、もはや恒例となった目黒川沿いで、川風に吹かれながら缶ビール。
稽古場に携帯を忘れ、今日中の救出を諦めた百花さんがおかしなテンション。外灯の下で延々と一人芝居!
それを肴に呑むという風流なんだかどうだかわかりませんが、愉快なひとときでした。

――商用のことや祖先のことや
忘れてゐるといふではないが、
都会の夏の夜の更――

さてはて中也論。いったいどんな舞台になるでしょう。
みなさま、どうぞお楽しみに。
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